整骨院の個別指導、監査に強い弁護士の鈴木陽介です。
          
          個別指導・監査には、弁護士を同席させるべきです。
          
          ここでは、柔道整復師の療養費の請求に関して、明細書発行体制加算の算定、取扱いについてご説明します。
          
          ご説明は、「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実務上の留意事項等について(通知)」(最終改正2024年5月29日)に基づくものです。なお、あくまで2024年10月1日時点での取扱いであり、また、地域などにより運用等異なる場合があることに注意が必要です。
          
          整骨院・接骨院の個別指導と監査については、以下のコラムもご覧いただければ幸いです。
          
          
【コラム】整骨院、接骨院の個別指導と監査の上手な対応法
          
          療養費の請求での留意事項(明細書発行体制加算)
          
           1 明細書発行体制加算の基本的ルール
          明細書発行体制加算は、患者から一部負担金の支払いを受けるときは明細書を有償で交付する施術所である旨をあらかじめ地方厚生(支)局長に届け出た施術所以外の施術所において、明細書を無償で交付する旨を施術所内に掲示し、一部負担金の計算の基礎となった項目ごとに記載した明細書を無償で患者に交付した場合に、2024年10月1日以降の施術分から、算定できるものであること。
          
          
【コメント】
          2024年10月1日で明細書発行体制加算の運用等変更されましたので、十分注意して下さい。
          
          明細書発行体制加算は、同月内においては1回のみ算定できること。なお、患者の求めに応じて明細書を1か月単位で交付する場合は、一部負担金の支払いを受けた当該月または翌月に明細書を交付することになるが、ある月に複数月分の明細書を1か月単位で交付した場合であっても、明細書発行体制加算は同月内においては1回のみの算定に限ること。
          
          「柔道整復師の施術に係る療養費について(平成22年5月24日付け保発0524第2号)」別添1別紙の20または別添2の20において明細書の無償交付が義務化されている施術所以外の施術所(以下「明細書交付義務化対象外施術所」という)であって、明細書を有償で交付する施術所は、速やかに、レセプトコンピュータ設置の有無及び当該レセプトコンピュータの明細書交付機能の有無並びに明細書を有償で交付する施術所である旨等について、別紙様式3の1Ⅱ(明細書有償交付の実施に関する届出)により施術所の所在地の地方厚生(支)局長に届け出ること。なお、当該届出を行った明細書交付義務化対象外施術所が、患者から一部負担金の支払いを受けるときに明細書の無償交付を開始するときは、明細書発行体制加算を算定する月の前月末日までに、その旨を別紙様式3の1Ⅲ(明細書無償交付の実施(変更)等に関する届出)により施術所の所在地の地方厚生(支)局長に届け出ること。
          
          
【コメント】
          明細書発行体制加算の算定ルールを理解し対応することが求められます。
          
          公費負担医療の対象である患者等、一部負担金の支払いがない患者(当該患者の医療費が全額公費によるものを除く)についても、明細書を交付するものとされています。
          
          明細書は、患者から一部負担金等の支払いを受けるごとに交付することが原則ですが、ただし、患者の患者の求めに応じて1か月単位でまとめて交付することも差し支えないこととされており、この場合は、施術日ごとの明細が記載されている明細書(施術日ごとの療養費の算定項目が分かるもの)である必要があるとされています。
          
          患者から一部負担金の支払いを受けるごとに明細書を無償で複数回交付した場合、明細書発行体制加算は交付したどの日に算定を行っても差し支えないが、同月内においては1回のみの算定に限られるとされています。
          
          患者の求めに応じて明細書を1か月単位で交付した場合は、一部負担金の支払いを受けた当該月または翌月に明細書を交付することになるが、ある月に複数月分の明細書を1か月単位で交付した場合であっても、明細書発行体制加算は同月内においては1回のみの算定に限られるとされています。
          
          再交付した明細書について、明細書発行体制加算(2回目)を支給申請することはできないとされています。
          
          領収証や明細書の押印については、これを義務付ける法令の規定は存在しないことから、令和4年通知により、領収証及び明細書の標準様式には押印欄を設けないこととされ、これらは標準様式であり、必要に応じ押印することも可能であるとされています。
          
          明細書交付機能が付与されているレセプトコンピュータを設置している施術所は、全ての患者に対して明細書を無償で交付する必要がありますが、明細書交付機能が付与されているレセプトコンピュータを設置している施術所において、患者本人から不要の申出(正当な理由)があった場合は、明細書の交付は不要とされています。
          
          施術所において特段の事情がある場合、その判断により明細書発行体制加算を一律に算定しないことを妨げるものではないものの、一部の患者に限り明細書発行体制加算を算定しないこととする取扱いは認められないとされています。
          
           2 厚生労働省のホームページ掲載
          厚生労働省においては、ウの別紙様式3の1Ⅱの届出に基づき、届出が行われた日の属する月の翌月10日頃までに、明細書を有償で交付する施術所名、届出日、所在地、電話番号、施術管理者名、施術管理者登録記号番号を厚生労働省のホームページに掲載する。なお、ウの別紙様式3の1Ⅲの届出に基づき、患者から一部負担金の支払いを受けるときに明細書の無償交付を開始するときは、届出が行われた日の属する月の翌月10日頃までに厚生労働省のホームページから当該施術所名等を削除する。
          
          
【コメント】
          明細書の有償交付の実施施術所について、厚生労働省のホームページで公表されますので、留意が必要です。
          
          
          
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          整骨院、接骨院の個別指導と監査のコラム
          
          整骨院・接骨院の個別指導と監査のコラムの一覧です。
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 個別指導と監査の対応法
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整骨院、接骨院の個別指導と監査
          
           柔道整復師の療養費の留意事項
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柔道整復師の療養費の留意事項(1):療養費の支給対象の負傷
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(2):脱臼、骨折での医師の同意
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(3):入院中の患者の施術
          
          
          4 
柔道整復師の療養費の留意事項(4):初検料
          
          5 
柔道整復師の療養費の留意事項(5):初検時相談支援料
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(6):時間外、深夜、休日加算
          
          
          7 
柔道整復師の療養費の留意事項(7):往療料
          
          
          8 
柔道整復師の療養費の留意事項(8):再検料
          
          9 
柔道整復師の療養費の留意事項(9):骨折、不全骨折、脱臼
          
          
          10 
柔道整復師の療養費の留意事項(10):打撲、捻挫
          
          
          11 
柔道整復師の療養費の留意事項(11):近接部位
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(12):温罨法料、電療料
          
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(13):多部位、3部位以上
          
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(14):長期頻回施術
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(15):長期多部位施術
          
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(16):金属副子等加算
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(17):柔道整復運動後療料
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(18):施術情報提供料
          
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(19):明細書発行体制加算
          
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(20):施術録(カルテ)
          
          
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柔道整復師の療養費の留意事項(21):一部負担金