本文へスキップ

柔道整復師が保険者に不正請求の謝罪文を提出し監査となった実例です。整骨院・接骨院の個別指導・監査は、柔道整復師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

電話での相談のご予約・お問い合わせはTEL.03-5925-8437
平日:9時30分〜17時30分

整骨院、接骨院の個別指導の実例(15):不正請求の謝罪文の提出

整骨院の個別指導、監査に強い弁護士の鈴木陽介です。

個別指導・監査には、弁護士に同席させるべきです。


ここでは、保険者から不正請求を追及され、不正請求の謝罪文を提出したところ、監査となり受領委任の取扱いの中止相当となった実例をご紹介します。近畿厚生局の平成30年10月付けの中止相当の実例であり、説明のため簡略化等をしています。

整骨院・接骨院の個別指導と監査については、以下のコラムもご覧いただければ幸いです。

【コラム】整骨院、接骨院の個別指導と監査の上手な対応法

不正請求の謝罪文を保険者に提出し監査、中止相当となった整骨院


 1 監査に至った経緯

近畿厚生局の公表資料によれば、柔道整復師の施術所について、監査に至った経緯は以下のとおりです。

保険者から療養費の不正請求があったとの情報提供があったことから、施術管理者である柔道整復師に対して監査を実施した。

1 柔道整復師の不正請求の謝罪文の提出
平成27年10月28日、飯野健康保険組合から近畿厚生局指導監査課(以下「指導監査課」という。)に対し、次のとおり情報提供があった。
@被保険者に柔道整復施術の受療状況を照会したところ、1名から、平成27年1月分から同年6月分までの柔道整復施術療養費(以下「療養費」という。)の請求があるにもかかわらず、当該施術所には通院したことがない旨の回答があった。
A当該回答について、当該施術所が所属している全国柔整師協会を通じて開設者及び施術管理者である柔道整復師に事実確認したところ、両人とも、開設者の友人である当該被保険者の健康保険証を使い、施術を受けていないにもかかわらず施術を受けたものとして療養費を不正に請求したことを認め、謝罪文の提出があった。

【コメント】
本ケースでは、保険者の受療照会から、架空請求が発覚し、それについて、開設者及び施術管理者の柔道整復師から、それを認める謝罪文の提出がありました。

不正を認め謝罪文を提出した柔道整復師の立場からすれば、監査としない寛大な対応を期待するところと思われますが、本ケースでは、下記のとおり、厚生局の患者調査が実施され、監査の実施に至っています。

2 患者調査での不正請求の確認 
平成28年10月13日から同月27日までの間に、29名に対し患者調査を実施したところ、調査に応じた15名のうち1名から、施術を受けていない旨の回答があったにもかかわらず、療養費が請求されていることが認められた。

【コメント】
患者調査の結果、架空請求が認められています。

謝罪文の提出の際に、この架空請求についても申告し謝罪していたかは不明であり、仮に申告していなかったとすると、他にも架空請求をしているのではないかとの疑義が認められることとなったものと思われます。

3 監査要綱に基づく監査の実施
これらのことから、指導監査課及び大阪府は、「柔道整復師の施術に係る療養費に関する審査委員会の設置及び指導監査について(通知)」(平成11年10月20日付け老発第683号・保発第145号通知 最終改正:平成29年9月4日付け保発0904第3号通知)の別添2「柔道整復師の施術に係る療養費の指導監査要綱」に基づき、平成30年1月19日から同年8月15日まで計5日間の監査を実施した。

【コメント】
厚生局としては、架空請求が認められる場合、他にも不正請求・不適切な請求が広く行われているのではないかと想定し、厳しく対応してくるものと考えられます。

 2 受領委任の取扱いの中止相当とした理由等

1 取扱い中止相当の主な理由

(不正事項)
@ 架空請求
施術を行っていないにもかかわらず、施術を行ったものとして、療養費を不正に請求していた。

A 付増請求
実際の施術日以外に施術を行ったものとして、施術日数を付け増して、療養費を不正に請求していた。

【コメント】
架空請求や日数の水増し請求(付け増し請求)はランクの高い重大な不正請求と厚生局は判断しているものと考えられ、ケースバイケースの部分はあるものの、架空請求等をしばしば行っていたのであれば、受領委任の取扱いの中止・中止相当とされてもやむを得ないところと考えられます。

2 取扱いの中止相当年月日
平成30年10月31日
当該柔道整復師は、原則として以後5年間は療養費の受領委任の取扱いができない。

 3 監査で判明した不正請求額

平成25年12月〜平成27年7月施術分

 不正請求 5名分 50万9498円


個別指導、監査に臨む整骨院・接骨院の柔道整復師の方は、お電話下さい。個別指導・監査への対応を弁護士がアドバイスします。


整骨院、接骨院の個別指導と監査のコラム


整骨院・接骨院の個別指導と監査のコラムの一覧です。
不正請求の謝罪文を保険者に提出して監査になった実例の他、様々なケースをご紹介しています。
個別指導(整骨院、接骨院)の際に、また日常の運営にご活用下さい。

 個別指導と監査の対応法

1 整骨院、接骨院の個別指導と監査

 整骨院・接骨院の個別指導の実例

1 整骨院、接骨院の個別指導の実例(1):一律100円のあんま

2 整骨院、接骨院の個別指導の実例(2):マッサージの不正請求

3 整骨院、接骨院の個別指導の実例(3):施術日数の水増し請求

4 整骨院、接骨院の個別指導の実例(4):施術所外施術の不正請求

5 整骨院、接骨院の個別指導の実例(5):監査拒否での中止

6 整骨院、接骨院の個別指導の実例(6):患者情報提供での監査

7 整骨院、接骨院の個別指導の実例(7):無資格者の施術の不正請求

8 整骨院、接骨院の個別指導の実例(8):被保険者への文書照会

9 整骨院、接骨院の個別指導の実例(9):保険者の情報提供での指導

10 整骨院、接骨院の個別指導の実例(10):患者調査からの監査

11 整骨院、接骨院の個別指導の実例(11):部位転がしでの指導監査

12 整骨院、接骨院の個別指導の実例(12):保険者情報提供での監査

13 整骨院、接骨院の個別指導の実例(13):詐欺の有罪判決後の監査

14 整骨院、接骨院の個別指導の実例(14):無資格者施術の情報提供

15 整骨院、接骨院の個別指導の実例(15):不正請求の謝罪文の提出

16 整骨院、接骨院の個別指導の実例(16):入院中の患者の不正請求

17 整骨院、接骨院の個別指導の実例(17):架空請求の逮捕後の監査

18 整骨院、接骨院の個別指導の実例(18):指導中断後の施術所廃止

19 整骨院、接骨院の個別指導の実例(19):中国四国厚生局の指導

20 整骨院、接骨院の個別指導の実例(20):東海北陸厚生局の監査

21 整骨院、接骨院の個別指導の実例(21):関東信越厚生局の指導

22 整骨院、接骨院の個別指導の実例(22):交通事故不正請求と監査

23 整骨院、接骨院の個別指導の実例(23):近畿厚生局の監査

SUNBELL LAW OFFICE柔道整復師 個別指導 監査

サンベル法律事務所
〒160-0004
東京都新宿区四谷1-18
オオノヤビル7階
TEL 03-5925-8437
FAX 03-5925-8438