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整骨院の不正請求の実例(定額100円のあんま)のコラムです。整骨院・接骨院の個別指導・監査は、柔道整復師の指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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整骨院、接骨院の個別指導の実例(1):一律100円のあんま

整骨院の個別指導、監査に強い弁護士の鈴木陽介です。

個別指導・監査には、弁護士に同席させるべきです。


ここでは、定額一律100円のあんま(不正請求)による受領委任の取扱いの中止の実例をご紹介します。九州厚生局の平成28年7月付けの取扱いの中止の実例であり、説明のため簡略化等をしています。

整骨院・接骨院の個別指導と監査については、以下のコラムもご覧いただければ幸いです。

【コラム】整骨院、接骨院の個別指導と監査の上手な対応法

定額一律100円のあんまでの受領委任の中止


 1 個別指導、監査に至った経緯

九州厚生局の公表資料によれば、整骨院が個別指導に至った経緯、監査に至った経緯は以下のとおりです。

1 定額100円であんまを行っているとの情報提供
平成25年8月、九州厚生局長崎事務所に「整骨院が、100円(定額)であんまを行っており、その他にもいろいろと不正を行っている。」との情報提供があり、その後も同様の情報提供が寄せられた。

【コメント】
患者からの情報提供、スタッフの内部告発による情報提供などは、相応にあるという印象です。厚生労働省の公表資料によれば、整骨院・接骨院に関して、令和2年度(令和2年4月〜令和3年3月)で302件の情報提供があったとのことです。

2 患者調査の実施と不正請求の疑い
患者調査を実施したところ、負傷名(症状)について、支給申請書の記載内容と患者からの回答とに相違がみられ、慢性的な肩こり、腰痛等に対する施術であると疑われたものが多数見受けられた。
また、一部負担金の徴収額が一律(300円または100円)であるとの回答がほとんどであった。

【コメント】
整骨院・接骨院について不正請求の情報提供があったからといって、必ず患者調査が行われるわけではありません。厚生局としては、情報提供の内容など総合的に勘案し、患者調査などを実施するか判断しているものと思われます。

3 個別指導の実施と中断
平成26年10月、当該施術所に対し個別指導を実施したところ、負傷原因及び負傷部位について、施術録の記載内容と患者調査の結果とが相違している例が多数確認され、本来、療養費の支給対象とはならない、単なる肩こり等へのマッサージであるものを、療養費の支給対象となるよう偽った負傷名や負傷原因を付したうえで療養費の請求を行い、さらに、月々で負傷部位を変えながら初検料を算定していることが強く疑われたため、個別指導を中断した。

【コメント】
本ケースでは、患者調査の結果、不正請求が疑われたことから、個別指導の実施となっています。そして、個別指導において、患者調査の結果と施術録との整合性が確認されています。

4 個別指導の中止と監査の実施
平成26年12月、施術内容や療養費の不正請求等の疑義について事実関係を確認するため、中断中の個別指導を中止する旨を通知し、監査を実施した。

【コメント】
個別指導を実施し、不正請求の疑いがあり監査を実施する方向性である場合、個別指導を終了せずいったん中断し、その後に時間をおいてから個別指導を中止し監査を実施することがしばしばあります。本ケースは、この流れとなります。

 2 受領委任の取扱いを中止した理由等

1 取扱い中止の理由:不正請求
実際には療養費の支給対象となる負傷ではないにもかかわらず、療養費の支給対象となるよう偽った負傷名や負傷原因を付して施術録に記載し、当該負傷に関し施術を行ったとして療養費を不正に請求していた。

【コメント】
本ケースで個別指導・監査に至った端緒は、一律100円の定額料金などの不正請求の情報提供ですが、最終的な中止の理由は上記のとおりであり、偽った負傷名や負傷原因での支給対象外の負傷への施術に係るものとなっています。なお、受領委任の中止年月は平成28年7月であり、平成25年8月の情報提供から中止まで約3年がかかっています。

2 受領委任の取扱いを中止とする根拠規定
柔道整復師の施術に係る療養費について
別添2 受領委任の取扱規定 第2章13の(1)及び(2)
平成22年5月24日付保発第0524第2号 厚生労働省保険局長通知
最終改訂:平成25年4月24日付保発0424第2号

3 受領委任の取扱いの中止年月
平成28年7月

※ 当該柔道整復師及び当該開設者が開設する施術所は、以後、原則として5年間は、療養費に係る新規の受領委任の取扱いが認められない。
※ この措置は、九州厚生局及び長崎県との共同による監査を実施した結果、実際には療養費の支給対象となる負傷ではないものを、療養費の支給対象となるよう偽った負傷名や負傷原因を付して施術を行ったとして、療養費を不正に請求していたことが判明したことによるものである。

 3 療養費の不正請求

監査において確認した不正請求に係る柔道整復施術療養費支給申請書の件数及び金額

【平成25年12月〜平成26年5月】
・ 不正請求 29名分 支給申請書 148件 213万9369円

※ 上記の件数及び金額は、監査で確認したもののみを計上しており、最終的な不正・不当請求の金額は、今後精査していくこととしているので、現時点では確定していない。


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整骨院、接骨院の個別指導と監査のコラム


整骨院・接骨院の個別指導と監査のコラムの一覧です。
定額一律料金での不正請求の実例の他、多数のコラムがございます。
個別指導(整骨院、接骨院)の際に、また日常の運営にご活用下さい。

 個別指導と監査の対応法

1 整骨院、接骨院の個別指導と監査

 整骨院・接骨院の個別指導の実例

1 整骨院、接骨院の個別指導の実例(1):一律100円のあんま

2 整骨院、接骨院の個別指導の実例(2):マッサージの不正請求

3 整骨院、接骨院の個別指導の実例(3):施術日数の水増し請求

4 整骨院、接骨院の個別指導の実例(4):施術所外施術の不正請求

5 整骨院、接骨院の個別指導の実例(5):監査拒否での中止

6 整骨院、接骨院の個別指導の実例(6):患者情報提供での監査

7 整骨院、接骨院の個別指導の実例(7):無資格者の施術の不正請求

8 整骨院、接骨院の個別指導の実例(8):被保険者への文書照会

9 整骨院、接骨院の個別指導の実例(9):保険者の情報提供での指導

10 整骨院、接骨院の個別指導の実例(10):患者調査からの監査

11 整骨院、接骨院の個別指導の実例(11):部位転がしでの指導監査

12 整骨院、接骨院の個別指導の実例(12):保険者情報提供での監査

13 整骨院、接骨院の個別指導の実例(13):詐欺の有罪判決後の監査

14 整骨院、接骨院の個別指導の実例(14):無資格者施術の情報提供

15 整骨院、接骨院の個別指導の実例(15):不正請求の謝罪文の提出

16 整骨院、接骨院の個別指導の実例(16):入院中の患者の不正請求

17 整骨院、接骨院の個別指導の実例(17):架空請求の逮捕後の監査

18 整骨院、接骨院の個別指導の実例(18):指導中断後の施術所廃止

19 整骨院、接骨院の個別指導の実例(19):中国四国厚生局の指導

20 整骨院、接骨院の個別指導の実例(20):東海北陸厚生局の監査

21 整骨院、接骨院の個別指導の実例(21):関東信越厚生局の指導

22 整骨院、接骨院の個別指導の実例(22):交通事故不正請求と監査

23 整骨院、接骨院の個別指導の実例(23):近畿厚生局の監査

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